たった一人の君へ〜二人の運命〜

リスタート

しばらくすると慌ただしく医者やナースが駆け付けてきた







診察中、あたしは一人病室から出て涙を拭っていた


よかった
よかった…


一人になると張りつめていた緊張が一気にほどけた









「加奈ちゃん?」


そこにお兄さんが戻ってきた




「お兄さん!京介が…京介が…」


うまく話せない




「京介が?どうかしたの?」


お兄さんの顔が一気に青ざめている






「違うの…
目を…覚ましたんです」


あたしがそう言った瞬間にお兄さんは勢いよく病室の中に入っていった







< 323 / 362 >

この作品をシェア

pagetop