たった一人の君へ〜二人の運命〜
「全てを誰かのセイにして、ここまで逃げてきたんだと思います。


ママからも、パパからも、那奈からも。



幸せになれないのは周りが悪い


ママがあたしを見てくれなくなったのは社長さんが悪い



そうやって、自分を守ってた





でも、京介と出会って、京介があたしを受け止めてくれて、やっと自分が逃げてることに気づけました





だからあたしはもう誰も恨んだりしない




社長さん…




だから謝らないでください




今すぐには無理だけどきっといつか社長さんとも普通に笑って話せる日が来る


…そう思います








社長さんは泣いていた








ねぇ京介?



君の深い愛情は、あたしに人を許すことも必要なんだって教えてくれた



君は、どんなあたしも許してくれたんだ




だからあたしも、誰かのセイなんかにせずに、自分の道を自分で歩いていこうと思うよ




君がいれば
どんな道も歩いていけると思うから


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