たった一人の君へ〜二人の運命〜






思えば京介に初めて会ったのは桜の舞う綺麗な季節でした



あの頃の
あたしは誰にも心を開けずに、いつも一人で塞ぎこんでいたよね…

それが寂しいことだってことさえ気付かなかったの



そんなあたしを見つけてくれたね
いきなり大声で告白なんかされたの初めてで、ちょっとウケた



今だから言うけど、京介と付き合ったのもね、実は暇つぶしでした

あっ、今最低と思ったでしょ?

最低だよね…



そんなことでしか孤独を埋められない悲しい人間だったんだよ





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