たった一人の君へ〜二人の運命〜
「ここに、高山さんを連れてきたかったんだ」

ベンチに腰掛けた彼は夕焼けを見ながら呟いた




あたしも自然とその横に座る



街と夕焼けと、隣の彼だけが視界を満たしていた




迫りくるオレンジが街を飲み込みそうで
あたしもこのオレンジに包まれてしまいたい
そんな気持ちになった





隣の彼はしばらく黙っている
何も話さず、ただ隣にいる彼の空気が意外に心地よい




あんなに堂々と告白してきたくらいだったから
ハキハキした人なのかと思ってた

実際は大人しい人なのかな?





< 41 / 362 >

この作品をシェア

pagetop