たった一人の君へ〜二人の運命〜
会話なんかしなくても、目の前の景色を見ているだけでよかった




どうせ隣の彼は暇つぶしでしかない
いい暇つぶしを与えてくれたことに感謝しなきゃね




そう思っていると、彼が口を開いた




「夢みたいだな…高山さんが隣にいるなんて」

夕日に照らされてなのか、瞳がキラキラしているように見えた




「あんたさ、何であたしがいいの?」



「好きだから」



「そんなの分かってるわよっ。何が好きなのか聞いてんの!」




隣の彼はビクッとした
なぁにびびってんだか
ウケるし
小動物みたいだな
子犬

そんな可愛いいもんじゃないか




「高山さんを好きになったのは、高2の時です」



高2…
思い当たる節はない
大体告白されるまで、この人の存在自体知らなかったし




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