たった一人の君へ〜二人の運命〜
「美人で有名だったから、存在は知ってたけど、俺とは違う世界の人だと思ってた
でも、ある時、学校から帰る途中で、子猫を拾って帰る高山さんを見たんです」




子猫?
そんなもん拾ったっけ?
頭の中を回転させる




あっもしかしてあのニャンこのこと?




あれは高校2年生の梅雨時期だった
雨降るなかで段ボールに入れられて身動きとれない子猫を帰り道で見つけた



雨に濡れて震えていたんだ



「あんたも捨てられたの?」



放って置けなくて、そのまま家に連れて帰って、温かいミルクをあげた
ニャンこは喜んで飲み干したのを覚えてる




ママが猫アレルギーだったから、うちで飼うわけにいかなくて、結局は妹の友達が引き取ってくれたんだっけ?




1年くらい前の話なのに随分前の話のように思う



ニャンこ元気にしてるかな?
一度だけ大きくなった写メを見せてもらったよね
そんなのすっかり忘れてたよ



あの場面を見ていた人がいたんだ





< 43 / 362 >

この作品をシェア

pagetop