たった一人の君へ〜二人の運命〜
時がたつにつれて
夕焼けは次第に暗くなっていき
それと共に街に明かりがついていく



オレンジとちがう、人工的な光が瞬いて、少しずつ違う美しさに変わった



短時間で姿を変えていくこの景色がどんなスポットよりも綺麗だと思った



ずっと、ここに居れたら…ずっと穏やかな気持ちでいれるかな



「ここ、よく兄貴と遊びにきてたんです」


遠い目をしながら彼は言った



「お兄さん?」



「はい。俺なんかよりもできた兄貴で、自慢の兄ちゃんです」



上西くんは得意気な顔をした




「仲いいんだ」



「そうですね。何でも話せる頼れる兄貴です」




普通はそうなんだろうな…
妹から見たあたしってどう映ってるんだろ

興味ないけど



「いいね、仲良しで」



「そうですかね…
最近はいつも一人で来てたんです

夕焼けが夜景に変わっていくのを見てると、穏やかな気持ちになるっていうか…

だから高山さんを連れて来たかったんです」


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