たった一人の君へ〜二人の運命〜
「ね、京介の家ってどの辺?」



早速京介と呼んでみる
なかなかすんなり馴染む



「あの工場の辺りだと思うけど」



京介は街を見下ろして左側を指さした



「ふーん。うちとは反対側だね」



あたしの家はおそらく向かって右側辺りだと思う



大きなスーパーが目印のように見えているから間違いない



「加…奈…」



「なぁに?」



加奈と呼ぶのも照れているようだ



「加…奈の家族は仲良し?」



ドクンっ



家族の話はしたくない



「何でそんなこと聞きたいの?」



「何となく」



「じゃあ逆に京介のとこは仲良しなの?」



自分の話はしたくない
恥をさらすようなもんだし




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