たった一人の君へ〜二人の運命〜
知らぬ間に借金まみれになってたとは、気付かなかったな

ママも水商売してたし、どうにかなってるのかなって簡単に考えてた

そんなわけなかったんだね




「それで?どうなるの?」



「破産手続きをしてから、詳しく分かると思うが、とりあえず、この家は出て行くことになる」



やっぱり…
この家はパパの持ち家

財産だから取り上げられるんだ




親の責任で家まで取られちゃうなんて




隣にいる那奈は泣き出してしまった



こんな時でさえ、素直に泣ける那奈に嫉妬する
あたしだって泣きたいよ…


「那奈、ごめんね」



ママが那奈の元へ来て、なだめている

あたしはそれを無表情で見ていた




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