たった一人の君へ〜二人の運命〜
借金取りたちは、何人かで交代で来ているため、いなくなる間がない




ひどい時は、家の前にブルーシートを敷いて、ご飯を食べるようになった



鳴り続ける電話と借金取りの声に頭がおかしくなりそう




「いるんだろっコラッ!」
「出てこないと殺すぞ!」




容赦ない言葉に足が震え、どうしようめない不安がこみあげてくる




怖い…怖い




そっと下に下りて、リビングを覗くと、ママと那奈が抱き合って泣いていた

暗い部屋で泣き崩れるか細い二つの身体




「ママ、どうすんの?」

耐えきれず、ママに聞いた



「知らないわよっ!」

テーブルに置いてあったママの赤い携帯電話を投げつけられる




あんたが知らないなら、あたしはどうしたらいいのよ…
どうしたらいいのよっ!
もうわけわかんないよ





ずっと暗い部屋にいる圧迫感と、誰かに見張られているという過緊張状態に、心がもたない




それでも誰にも頼れなくて、孤独と闘うだけの時間が過ぎる




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