たった一人の君へ〜二人の運命〜
こんな時でもお腹空くんだな…
自分の空腹に嫌気がさす




冷蔵庫を覗いてもそろそろ家にある食べ物が尽きてきている




突然だったもんな
あいつらが来たの…




それでも、あたしたちに手を差しのべてくれる親戚もいない

パパが親戚たちにもお金を借りていたから、愛憎つかされたんだと思う




自業自得だ…
このままじゃ



夜逃げ



その三文字が頭をよぎった



こうなったら闇にとことんハマるしかないのかもしれない





どうにもならず、あたしは部屋に戻った


携帯を開く



美幸や京介から何件も着信が入っている

助けて

小さく呟いた



普通の暮らしに戻りたい





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