たった一人の君へ〜二人の運命〜
「もう、ごめんなさいね、社長さん。
この子可愛くないのよ」




ママが甘い声で社長さんに近寄った




「いやいや、恭子に似て美人な子じゃないか」




何なのあんたたち!
娘の前でイチャイチャしないでよ
那奈だっているのに

怒りがこみあげるのを拳を握ってぐっと押し込めた




「社長さんが借金取りたちにお金を払ってくれて助かったのよ」




えっ
今何て?




「社長さんのお陰で夜逃げしなくてすんだんだって」

那奈もにこにこしながら話す




待って、待って
社長さんがお金を払った?
ってことは、あたしたち…この人に救われたわけ?


だから堂々とここに姿を現したんだ
信じられない






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