たった一人の君へ〜二人の運命〜
明日から夏休み




世間の学生が浮かれ気分なそんな蒸し暑い夏の夜に、事は起きた





その日も社長さんは家に訪れた



「こんばんは…」


ママが挨拶しろと言うから、リビングに座る社長さんに、とりあえず挨拶する

顔も見たくないけど、これくらいは仕方ない





「加奈ちゃん、お土産」



社長さんはソファーに座り、くつろいでいた

まるで本物の父親のように




コイツは愛人のくせに、借金のお金を出した日から、我が物顔で家にいる

ママは離婚してフリーになったわけだから、愛人ではなくなったけど、あたしの中ではクソのままだ





それなのに何がお土産よ
あんたの土産なんかいらない





「いりません」


あんたからお土産なんかもらう関係じゃない





「もうっ加奈、せっかく社長さんがくださっのに、お礼言いなさい」




ママに無理矢理頭を持たれ、頭を下げさせられる




「やめてよっ」

ママの手を払った





そこまでしてコイツに好かれたいの?
子供の頭を無理に下げてまで…



ママの手なんか汚い





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