たった一人の君へ〜二人の運命〜
それがママの勘に触ったようだった



「あんた、ちょっとこっち来なさい!」


腕を引っ張られ、リビングから出された






「あんた自分が何してるか分かってるの?」

ママの顔、鬼みたい





「あんなお土産なんかいらないからいらないって言ったのよ!」


あたしは絶対に気を許したりしない
絶対に





「誰のお陰でいい暮らしさせてもらってるか分かるでしょ?」


鋭い目で睨みつけるママ





「いい暮らしなんかしたいって言ってない」


めげずにあたしも睨み返した





パチンッ

ママの手が左頬に飛んできて、思いきり殴られた





「ママがどんな思いであんたたちを育ててるか考えなさい!」


殴られた頬がジンジン痛い




何であたしが殴られるの?何で?




ママがどんな思いで育ててるなんかしらないよ
だってママに育てられてる覚えなんかないもの



お金だけ与えてくれる人

ママはあたしにとってそんな存在なんだもん






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