逆走マジック
「えーっいいじゃん!行こうよ……」


目頭に涙を浮かべうるうるとさせる。

彼女は良く泣き真似をする癖があった。

なんどもこうなると信じる人はあまりいないはず。


「まぁ、いいんじゃない?たまにはこう言うのも」

にっこり笑って優しい笑みを浮かべているのは、菅南梓之。

どうやらおっとりとした要素を持っているらしい。

「え……?まさかのノリ気かよ梓之……」

不思議と驚きを合わせたような目をする、神崎葵。

「決ー定っ!んじゃ梓之は行こうね一緒に。」


やったと言わんばかりに喜ぶ夏子。

少しはしゃいだ後、葵と佐月に、夏子はこっそり耳打ちをした。

「あーぁ、あたし梓之と二人きりになるのかぁ。ふふっ何するかわかんないよ?いいんだ」


この一言で、嫌がっていた二人も仕方なくいくことになる。
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