逆走マジック
*

校内は月明かりに照らされていてとても綺麗だった。

中でも光が差し込む、理科室。

四人は引き寄せられるように理科室へ入った。

「……」

「どうした?梓之」

「骸骨怖いなって」


えへへと青ざめているのに笑う梓之。

空気を明るくしようとしているのだ。

「大丈夫だ。何かあったら俺と佐月で守るから」

「うん、心配しなくていいよ梓之」


優しい二人の空気を裏返すように夏子はぎゃーぎゃー騒ぐ。

「えーあたしの事は守ってくんないのー」

「あんたは別にいいよ馬鹿だしね」

軽くあしらう佐月。

しつこい夏子にはピッタリの流しかただ。


―カタカタカタ


一瞬にして暗がりに部屋が包まれた。

誰かが理科室の前で歩みを止めた。
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