神様のララバイ

ファーストコンタクト

空の色、群青。


清々しく晴れ渡ったその下に彼女はいた。



ボーッと前を見据え、佇む彼女、西園寺 立花は
疲れたようなダルいような表情を浮かべて
ひたすらにその時を待っていた。



突然だが、今から彼女は自殺する。

この世で最も不道徳的行為を立花は行おうとしているのだ。


その所以は悲劇か絶望か、
今の彼女の表情からはうかがい知れない。


それくらいに彼女はひたすらにボーッとしていた。



そんな彼女の耳に遠くからカンカンという甲高い音が届いた。





警告を知らせるその音は今、立花に確かに合図を出した。


彼女は表情を変えるでもなく、ふらりと線路へ入っていった。



そのそぶりはまるでそれが当たり前のことのような、そんな錯覚すら覚えてしまうほどに自然だった。




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