天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
「でももこうもない。密歌を1人で帰らせると千歳に何言われるかわからんしな。」
「え!?なんでママ知ってるの??」
「そりゃ知ってるだろ。天の宮学園は、今日はもう全校生徒帰らせたんだろ??」
「う、うん。そうだけど……」
「ってことは、真たちが帰ってるから知ってるだろ。」
「あ〜そっか。なるほど!!」
真兄たちが帰ってたら事情を聞いてわかってるはずか。
「まぁ、そういうことだ。だから送らせるからな。」
ママは、私が1人で帰ることを許してくれない。
雅姉や亜李架や結李架は、亜美さんたちと帰るか車で帰るかのどっちかなので1人で帰ることはないから雅姉たちには言わない。
でも私の場合は、生徒会とかあると遅くなるから1人で帰ろうと思ってるのに湊と帰ってこいとか車で迎えに行くとかうるさい。
私は、大丈夫なのにね。
でも、ここで1人で帰るとなるとパパと篤夜にママのお説教をくらっちゃう。
ママのお説教は長いからパパは、苦手みたいだ。
まぁ、ここはパパと篤夜のためにも了承したほうがよさそうだ。
「わかった。じゃあ、送って??」
「じゃあ決まりだな。篤夜、密歌のこと頼むな。」
「はい、わかりました。」
「じゃあ俺は、残りの仕事してから帰るって千歳に言っておいてくれ。あと篤夜、今日の仕事はもう終わっていいから。」
「わかったよ〜。」
「わかりました。では宗介様、あとでお迎えにまいります。」
「あぁ、頼むな。」
「じゃあパパ、バイバイ。」
「あぁ。気を付けて帰れよ。」
「では、失礼しました。」
――――ガチャ
私は、パパに手を振りながら篤夜が開けてくれた扉の外に出た。
パパも私に手を振ってくれた。
篤夜は、私が出たことを確認してからパパに一礼し出た。