天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
「湊。密歌のところに居てあげて。」
急に愛梨がそんなことを言った。
「え?」
「密歌が起きたとき湊がいなかったら心配するでしょ?」
「でも…」
「どうせ調べに行こうとしてるんだろ?」
「そのことは私たちに任せて!!」
「俺ら二人で湊たちが襲われたところに行ってみるからさ。」
「お前ら…」
愛梨と龍夜はいざとなると頼りになるやつら。
「わかった。そっちは頼む。」
「「りょーかい!!」」
「でも、そこだけ調べ上げたらすぐに戻ってくるんだぞ?密歌に見つかったら大変なことになるしな。」
「「わかった!!」」
二人はそう告げて出ていった。
「じゃあ、他の人は詳しく教えてくれるかしら?」
「「「はい」」」
「美麗。俺らもその話聞いてもいいかい?」
「えぇ。今後もお世話になると思うからぜひ聞いて行って。」
「ありがとう。」
「じゃあ、音宮くんは秋野さんのところについておいてあげて。真くんも怪我してるしここにいてちょうだい。大学部には話をつけておいたわ。」
「わかりました。」
「俺もそちらに行きます。怪我は大したことはありませんので。」
「…わかったわ。では理事長室で話しましょう。」
「「「「はい」」」」
「じゃあ、湊くん。あとのことは頼んだよ。」
「はい。湊くん。これ薬品棚の鍵ね。」
「はい。何かありましたらお伝えします。」
じゃあと言って俺と密歌、結李架ちゃんと亜李架ちゃん、翔唯斗と弥凪斗以外は保健室から出ていった。