天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
「それより密歌。また自分を犠牲にしただろ?」
――――ビクッ
「あれは仕方ないよ。あのままだと結李架たちを助けられないし、真兄だってあのままじゃ怪我だけで済まなかったかもしれない…人質を取られてる以上、私一人でみんなを助けられないから湊たちを呼んだ。あいつらにみつからないように雅姉に行かせるには私が時間稼ぎするはlしかなかったんだよ…」
「そうだとしても、お前一人で抱え込むなよ。少しは真さんのことを…みんなのことを信じろよ…」
湊…
どうしてそんな顔をするの?…
今にも泣きそうな顔を…
私の所為?…
「湊…ごめんなさい…でも、真兄たちをこれ以上傷つけたくなかったの…」
「密歌はいつも一人で何でも背負いすぎなんだよ。たまには俺を頼れ。俺は密歌が助けてほしいならいつでも手を貸す。だから俺にもその荷物、背負わせろ。」
「湊…」
何故かな?
わからないけど涙が出てくる…
悲しくないのに…
「私にも少しは頼ってよね!!」
「湊と密歌より強くないけど俺もそれなりにやるぞ!!」
「愛梨!龍夜!」
二人とも…
もうみんなの所為で涙が止まらないよ…