天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜

「もー!!宗くんからも言ってよ!!」

「いやーでも有紗。俺でもあれには手を付けられないよ…」

「あの千歳ちゃんは有紗しか止められないだろ。」

パパと稜亮さんは言った。

「もー二人とも役に立たないんだから!こうなったら奥の手よ!」

有紗さんはズカズカと私たち…ママのところに近づいてくる。

「ちいちゃん!!密歌ちゃんから離れて!!はーなーれーなーさーいー!」

有紗さんはママを引っ張っている。

「い!や!だー!!!!」

ママも負けじと踏ん張っている。

私はというとママにくっついているからされるがまま…

うー痛い…



――――ガラッ

急に開かれた扉…

もう私にはそんなのどうでもいい

誰か助けてほしい…

「千歳さま!!」

「有紗さま!!」

誰かが二人の名を呼んだ。

――――グイッ

あれ苦しくなくなった…

――――ボスッ

「大丈夫か?」

「湊…大丈夫だよ」

私が倒れそうになっていたのを湊が受け止めてくれた。


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