天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
秘密
【密歌side】
みんなが出て行き、私と有紗さんだけが残った。
「じゃあ傷みせてね?」
「はい。」
────ベリベリ
「うん傷はそこまで深くないからこの薬を毎日塗ってれば治るわ。これがその薬ね!」
有紗さんは傷に薬を塗り、薬の袋を私に渡してくれた。
「はい。ありがとうございます。」
私は薬の袋を貰いお礼を言った。
「どーいたしまして!他の傷もこの薬で塗ってね。」
「はい。」
「じゃあ、今度はこっちをみせてくれるかしら?」
「え?」
なんで…?
なんで、有紗さん知っているの?
湊たちもこのこと知らないのに……
「なんで私が知ってるの?って思ってるわね?」
「え?」
「顔に出てるよ。ウフフ」
有紗さんは笑って言った。
「治療するときにね、全身みたのよ。どこが怪我してるか見るために。で、お腹の青あざをみつけたわけ。」
「そうなんですか…あの…このことは…」
「誰にも言ってないわ。もちろん稜ちゃんにも、ちいちゃんたちにも…それと湊くんにも言ってないわよ。このことを知っているのは私と密歌ちゃんだけよ。」
「すみません。黙ってもらっていて。」
「いいのよ。これぐらい。じゃあこのことは私たち二人の秘密ね!」
有紗さんはニコっと笑いながら言った。
「はい。ありがとうございます。」
こうして有紗さんとの秘密ができた。
念のため、週に一回は有紗さんに見てもらうのを条件に…