さよなら、ブラック
桜の木の下で
大学生になったわたしは、それなりにキャンパスライフを満喫していた。
アルバイトをしたり、サークル活動をしたり、たまに授業をサボって友達とバーゲンに行ったり。
ただひとつ、友達と違ったのは、それほど彼氏が欲しいとは思わなかったこと。
ある友達に、信じられないというような顔で「どうして?」と尋ねられたが、まさか本当の理由なんて言えるわけもなく、
「白馬に乗った王子さまが迎えに来るのを待ってるだけ」
なんて言って、はぐらかしていた。