歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
「だ―――めんどくせえ!二人いっぺんに入りゃいーだろっ」

「「ぬおっ」」


健二に背中を押される私と紅。

二人同時に居酒屋の中に入った私たち。

目の前には、目をまん丸にして驚いているおばさんと…厨房でタバコを吸いながらおばさん同様に、驚いているおじさんがいた。






「あ、あの…こんにちわ・・」

「おじゃまします…」


ぺこりと頭を下げる私。

紅もかぶっている帽子を取って、頭を下げた。

すると…







ガッシャ――ンっっ



!!


おばさんが持っていた食器が床に落ちて、バラバラになってしまった。





「いやだ、私たらっ!」

「だ、大丈夫ですか!?」

「私、拾いますからっ」



ガシャガッシャーンっっ




また!?



今度は厨房の方から、大きな音が……!





「親父!大丈夫か!?」


健二が厨房を覗いて言う。
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