歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
「もうすぐ年末だな…」




社長がコーヒーを飲みながら言う。






「そうだね…」


もう11月だし…




「今年もお前の紅白出場はもう決まってる。カウントダウンライブもな…」

「うん。マッスーから聞いてるよ。ライブの練習も明日から始まるし…」


紅白の衣装合わせとか、ダンスリハとか…明日からまた忙しくなる。

二週間も休んだ分‥忙しさは倍も返ってくるんだ。






「慶は…まだ復活できそうもないか・・」

「……!……うん。」


社長は声のトーンを落として、ボソッと言った。






「慶には会ってるのか?」

「うん。向こうから帰ってきてから、お見舞いは毎日行ってるよ」

「そうか…慶の様子はどうだ?」

「……元気そうだよ」

「…ハハ、そうか」



この場合の“元気そうだよ”とは…“変わりない”って意味。


社長は鼻で笑ったあと、またコーヒーを飲んだ。









「それでね、社長…」

「ん?」


「お願いがあるの…」

「・・・・」
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