歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
『これまでずっと“謎”だった慶さんの突然の芸能活動休止ですが…それが今日明らかになるわけです!』




ピッ


リモコンをテレビに向け、他のチャンネルに変える。









『sAra.さんのコメントはFAXによるものなんですが…』


「……」


違うチャンネルでも、同じことやってるし…

私はリモコンをポンと投げ、携帯を握りしめたまま、ベットの布団に顔をうずめた。









『えー、sAra.さんがFAXをマスコミに流したのは、今朝早くだったらしいんですよ…』

『でもなんで“今”なんですかね?』


ワイドショーのアナウンサーとコメンテーターの会話のやり取り。

私は布団に顔をうずめながら、そのやり取りを聞いていた。







『我々はもっと早く真実を知りたかった…』

『そうですね。sAra.さんからも、慶さんの事務所からも完全ノーコメントでしたからね…』


『えー、ここでsAra.さんから送れてきたそのFAXを皆さまにご覧いただきたいのですが…文章が少々長いので、一部を除いております。でわ、VTRご覧ください。』
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