歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
これからも、私自身は変わらずに仕事を続けますが、五十嵐さんが目覚めて、また芸能活動を再開できることを望んでいます。


どうか温かく見守っていて下さい。





sAra.


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『―――えー、今ご覧いただいたVTRが、人気アーティストsAra.さんがマスコミに送ったFAXになります』


FAX用紙の映像から、アナウンサーやコメンテーターたちの映像に切り替わる。

私はベットから降りて、くしゃくしゃになった髪を手で軽く整えたあと、スウェットから私服に着替えながら、テレビから聞こえる声を聞いていた。









『今のFAXの内容からすると、五十嵐さんは意識がないということになりますよね?』

『ということは、植物人間ということですか?』

『FAXの内容を読んでも、真実を明らかにするよりも、もっと謎が深くなった気がするんですがね…』



着替えを済ませた私は、ソファーに座り再びテレビを見る。








『えー、ここで現在ですね…番組リポーターがsAra.さんが泊まっているという都内のホテルの前にいるそうなので、呼んでみたいと思います』


テレビは、今私がいるこのホテルの前の映像に切り替わる。


私はスッと立ち上がり、カーテンを開け窓のから下を見下ろすと…その光景に思わず手を止めた。
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