歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
ここなら草で覆われてるし…先生とか生徒、通行人にもバレないな…








「ほら。これ着ろよ」

「へ?」


当たりをキョロキョロと見ていると、浅川先輩がなにかを私に差し出した。






「あ…これ・・」


浅川先輩が差し出してくれたのは、学校のジャージ。




「あんたの制服汚れてっから…私ので良かったら着て♪」

「あ、ありがとうございますっ」


私は先輩にペコッと頭を下げ、ささっとジャージに着替えた。

先輩のジャージは香水みたいな、いい匂いがした…








「ここ座れよ」


ジャージに着替え終えた私を見て、先輩は自分が座っているベンチの隣を手で叩く。

私は返事をして先輩の隣に座り、脱いで畳んだ制服を横に置いた。






「…これ食う?」




ベンチに座るなり、かわいい袋に入ったカップケーキを渡す先輩。




「ありがとうございます」


先輩からもらったカップケーキを、早速口に入れる私。







「……おいし」
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