歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
健二は慶と同じ地元だし、昔から仲いいから、沙知絵さんのことを知っている。





「慶のこと…色々聞いてた。心配してたよ……」

「…そっか」


そう言ってタバコに火をつける健二。




「…やっぱり・・慶がいねえと酒もうまくねーな…」


健二はボソッと言った。





…確かに。


私はそう思いながらも、ビールを一口飲む。







「紅ちゃん!一緒にタバコ買いに行こうぜ!」




突然聞こえてきた声。

振り向くとそこには、JINくんのダンサーのひとりが紅の肩を叩いていた。





「え、えっと……」

「ちょっと付き合ってよ!俺‥ひとりで行くの寂しいし…」

「………はい」


しぶしぶ立ち上がる紅。





「ちょっと…無理しなくてもいいよ。断ろうか?」
< 37 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop