花が散る時…
部屋の荷物を段ボールに積める。

「早くしなさい!」

「分かってるよ!」

懐かしいものばかり出て来る。

「なんでこんなに目にしみるんだ?」

せっせと積める。

そういえば東条さんと写真一回も撮ってないと思った。


荷物を積め終わり、車に乗ろうとした。

「やっぱり先に言ってて! あとで電車で行くわ!」

「何か忘れ物? だったらまだ間に合うわよ!」

「長くなりそうだから…」

「何それ?」

「もういいだろ母さん! 男には喋れない理由もあるんだ!」

「もしかして不倫とか?」

「ば、ばか! そんな事じゃない! 早く行ってこい! 後悔するなよ!」

「ありがと! 父さん!」

そう言うと車は発進した。
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