花が散る時…
「ちょっとここでは言いにくいから、外で!」

「うん」


そう言って外を出て、路地裏に入った。

「それで?」

「私、東条 亜季葉は仁志 悟君が大好きです!」

「え?」

「毎日お店に来てくれるし、体育の時も助けてくれるし! それに何より優しい!」

「本当に?」

「うん!」

満面の笑みで答える。

涙が溢れてきた…。

「なんで泣くの?」

「ごめん。 なんでもないよ。」

涙を手の甲で拭った。
「それで返事は?」


「……………ごめん」

「え?」


「始めて東条さんを見た時、自分は一目ぼれして、でも半分諦めてたんだ…。 でもいろいろあるうちにやっぱり好きだって思って…」


「だったら…」


「…………ごめん。 …さよなら」


「ちょっと…」

東条さんはその場に泣き崩れた。

自分も泣き崩れたい…
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