花が散る時…

転機

それはある日の体育の時間、自分は風邪気味で体育を見学する事にした。

その時偶然彼女も見学していた。

といっても彼女は体が弱いので確率は高かったかもしれないが…。
彼女は普段から少し顔色が青く、本当に体が弱いんだなと思った。
しかし、今日は違った。

この日は夏休みに近いという事で直射日光がガンガン校庭を照らしていた。

自分がこれだけ暑いのだから、彼女は大丈夫だろうかと振り向くと、そこには肩で呼吸する彼女がいた。

自分はこれはやばいと思い、彼女に近付いた。

「大丈夫？　水かなんか持ってこようか？」
彼女は顔を見上げて

「お願い…水…欲し…い…」

自分は一目散に水道にいき、そこにあった部活の忘れ物らしきプラスチックのコップをゆすぎ、水を注いだ。

ついでに持っていたタオルを水に濡らしておいた。

彼女の方へ戻ると、彼女は息絶え絶えで、やばい感じだったが、先生はみんなの事しか見ていなく、こっちは視界に入ってない模様。

「水持って来たよ。　横になった方がいいと思うよ。」

自分は彼女を木の下に肩を貸して誘導した。
「ありがとう…だいぶ助かったよ…」

彼女は水を飲むなり感謝の言葉を述べてくれた。

別にいいのにと思いながら自分は

「横になった方がいいよ。　タオル濡らしてきたから…。」

「うん、そう…する…」

彼女は頭をちょうどいい高さの根っこに乗り、自分はタオルを頭にかけてあげた。

こういう時仰げばいいんだけど仰ぐものが…。

しかしここは結構風邪が通ってイイ感じだった。
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