レモン色
「おせーよ」
先生にそう言って叩かれた。
私のせいなのに秀くんは何も言わない。
涙の理由も聞かなかった。
なんでそんなに優しいんだろう。
優しい秀くんを私の寂しさの紛らわしにつかっちゃだめだよ。

「‥‥‥」
先生が何も言わずに私を見ている。
「‥?」
「‥なんかあった?」

‥するどい。
でも言えないよ。
大好きな先生には今までなんだって話てきたけど、これは言えない。

「‥‥」
「泣いた?」

やばい涙が出そう。
こらえるんだよ私!
泣いちゃだめだ。
声を出したら泣いちゃいそうで。
先生を見たらだきついてしまいそうで。

「先生、俺帰っていい?」
秀くんが言った。
「おぉ帰っていいぞ、明日は遅刻すんなよ!」
秀くんは笑って去っていった。
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