レモン色
「‥怖いかあ。まあ俺もそうだったな。」
先生が呟くように言った。
それと同時に信号も青に変わった。

先生に愛しく思われる人になりたい。
想いを伝えたいけど怖いと考えてもらいたい。
好きなんだってば‥‥

どうしたらいいか分かんないよ?
先生なんて好きになる予定じゃなかった。
やばい、涙腺が緩んできた。
泣いちゃだめだ‥

「なんかあった?」
こっちを見ないで聞く。
先生にはなんでもお見通しだね。
「なんで?」
「泣きそうだから」
その一言を聞いた私の目からは涙が一筋流れた。
わかっちゃうんだね何でも。
でもそれは私だから?
生徒だから?

先生にとって私は何?
生徒の中のただ一人かな‥
特別であってほしかった。
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