レモン色
「俺‥教師失格だな」
先生は私の耳元で呟いた。
大きい先生がとっても小さく見えて、悲しくなって私はぎゅっと先生を抱きしめた。
思ったよりも先生は細くて、でも私は先生の腕にすっぽり入ってしまえた。

先生、失格なんかじゃないよ。
とってもいい先生。
大好きな優しい先生だよ。
私のせいでいっぱい苦しめてごめんね。
先生にとって私は《生徒以上》かな?

先生の匂い‥暖かさ‥
いま私は体中全部で先生を感じてるよ。
とってもとっても幸せだよ。
先生のこと好きでいて辛いけど幸せだよ。

「泣いてた理由は言わんでいい。その代わり‥もう泣くな」
先生はそう言って抱きしめていた腕を緩めた。
私は小さく頷いて、先生を見上げた。
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