レモン色
「掃除しろよー」
そう言って教室に入ってきた森山先生。
窓を開けるために歩いて行ったとき、ふわっといい香がした。
誰の香水かなあ〜とか考えていた。

バンッ

「っ痛あー」
後ろから思いきり殴られて私は叫んだ。
振り向くと、先生。
大好きな笑顔で立っている。

「そうだっ!先生聞いて!!今日とっても‥」
言いかけたときだった。
バンッ
もう一発殴られた。
武器は閻魔帳のようだ。

目に少し涙を浮かべて、上目使いで先生を見る。
「‥痛かった?」
先生は困ってしまった。
私はいっぱい首を横にふる。

先生は安心したように微笑み
「遅刻したのは‥誰だ?」
と言った。
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