恋愛契約-私とアイツの関係-
「あんた、誘拐されたときに車から飛び降りて、小さな男の子がいたんだよね?」
「うん。」
「おでこに傷があったって?」
「うん、あったよ。」
そういうと、梨桜ちゃんは何かひらめいたように、頷いた。
「ふぅん。
そういうこと。
あんたも大変ね。」
そういうと梨桜ちゃんは黒い笑みを浮かべた。
凌雅と同じ顔。
この笑顔の時は、心の中で何かを想っているのだ。
しかし、それを言わない。
きっと「何が?」って聞いても、教えてくれないに決まってる。
でも、一応。
「…何が?」
「秘密。」
……ほらね。