恋愛契約-私とアイツの関係-
しばらくすると、梨桜ちゃんの携帯が鳴った。
梨桜ちゃんはその携帯を開き「ちょっとゴメン。」と言って電話に出た。
携帯から
「早く帰ってきなさい。
今迎えを行かせるから。
どこにいるの?」
と、お母さんらしき声が聞こえる。
どうやらあと15分ほどで着くらしい。
帰っちゃうのかぁ…そう思っていると電話を切り、梨桜ちゃんは携帯を閉じた。
「ごめん、帰るね。」
「うん、わかった。
今日はありがとね!」
「いえいえ。」
鞄を取り、ドアへと歩き出す。
私はそんな梨桜ちゃんの後を追いかけ、玄関まで向かった。
10分後、梨桜ちゃんの迎えが来て、颯爽と帰って行った。
空は真っ暗。
ちらほらと星が見える。
外で遊ぶ子供はもういない。
…現在、20時26分。
凌雅はまだ、帰ってこない。
いつもなら自分の部屋にいるはずなのに。