恋愛契約-私とアイツの関係-
玄関には、見覚えのある人影。
その人は、
「凌雅あぁぁぁぁぁあ!!」
大きな声でそう叫ぶ。
凌雅は驚くこともなくゆっくりと顔を上げた。
「…なんだよ。」
迷惑そうな顔でそういう。
……何、その態度。
ピキッと額の血管が浮き出る。
「なんだよ、って…
帰りが遅いじゃない!!」
「メールしただろ。」
「うっ…。」
…確かに、メールがあった。
でも、でもさ、
連絡もなしにこんな時間まで…
何も言えず俯いていると、凌雅がゆっくり口を開いた。
「…とりあえず、中に入っていい?」
「……どうぞ。」