恋愛契約-私とアイツの関係-
「なんで…?」
「どうせ、家庭教師が来たところで勉強なんてしないだろうし。」
うッ…!
痛いとこをつかれて、うまく笑えない。
言葉も出ない。
凌雅はふてぶてしい態度でネクタイをゆるめながら私を見る。
「どこかの誰かさんがあの女の人のこと気にしてたし。」
またまた痛いところを突かれる。
何でこんなにも勘がするどいのだろう。
私の頭の中が透けて見えてるんじゃないか、というくらい鋭い。
私が黙り込んでいるとあの女の人のことを話し始めた。
「あの人、星生の姉だから。」
「お…」
お姉さん…?
言われてみると似てる気も…
でも、
「髪の色は黒だし…。」
星生くんの髪色はキレイな金髪。
でもお姉さんは吸い込まれるような黒。