恋愛契約-私とアイツの関係-
「…気をつけろよ。」
怒るように、静かに、凌雅は言う。
不覚にも、ドキッとしてしまった。
その言葉は、私を思って言ってくれていることでしょう…?
「倒れると、重いコイツを保健室まで運ばねぇといけねぇんだから。」
…前言撤回。
やっぱりコイツは私の天敵。
クッと下唇を噛みながら、下を向いた。
「おい、置いていくぞ。」
「妃芽ちゃん!行くよ!!」
「妃芽早く!」
声の聞こえる方向を見ると、3人はすでに、屋上の扉を開き出て行こうとしていた。
…私を待とうっていう気はないのだろうか。
「待ッ待ってよ~!!」
私は急いで3人の元へ向かった。