恋愛契約-私とアイツの関係-
「まぁ、そうだけど。」
「なら、話は早い。」
小さく笑顔を見せ、どこかへ電話をかけた。
5分くらい経っただろうか。
私はその間ずっと、椅子に座って聞いていた。
「…ん、じゃあ土曜の10時に。
あぁ、よろしく。」
そういって、切った。
「誰?」
「星生。
土曜日来るから、開けとけよ。」
「はぁい。」
「じゃあ頑張ろうな。
男嫌いの妃芽さん。」
ニヤリと微笑み、私を見る。
凌雅はいつもどこかで優しさを見せる。
遠回りの優しさ。
その優しさが時折嬉しく感じる。
小さな心境の変化。
不器用だな、ホント。
ふふ、と小さく笑うと、
「なんだよ。」
って、凌雅が笑った。