恋愛契約-私とアイツの関係-
扉が開いた。
そこには男の恰好をして、ウィッグをつけた、凌雅の姿。
正直に言うと、ボーイッシュな服装をした、女性。
美人だという事に変わりはない。
つかつかと私に近寄る。
顔が間近にあるけれど、平気だった。
「ん~…平気なんだ。」
少し面白くなさそうに言う梨桜ちゃん。
「ねぇ、取っちゃいなよ、ウィッグ。」
「えぇ?!」
さすがにそれは…
といいたかったけれど、時すでに遅し。
目の前にいる凌雅はなんの躊躇もなく、ウィッグをとった。
「う゛ッ…!!!」
激しい吐き気。
ずさッと大きく後ずさりをした。
「やっぱりだめか…。」
という言葉を横に聞きながら。