恋愛契約-私とアイツの関係-
凌雅もなんだか呆気にとられていた。
口を半開きにして、
目は大きく見開いて、
カッコいい顔も台無しだ。
肩で息をしていた私もやっと落ち着きを取り戻した時だ。
フッと凌雅の口元が怪しく上がった。
その笑顔はどこか鬼畜で。
…黒い笑顔、とでも言うのだろうか。
「おーおー言うじゃねぇか。
城嶋グループの一人娘、城嶋妃芽さん。
男嫌いって有名だったけど、本当だったとはなぁ。」
ゆっくりと立ち上がり、私に近寄る。
と、同時に私は凌雅と離れる。
でも私の後ろには壁。
凌雅との距離は縮まる一方だ。