恋愛契約-私とアイツの関係-
はぁ、とため息を漏らし私もまたお弁当を食べ始めた。
このお弁当はシェフが作ったもの。
学食も食べたかったけど、せっかく作ってくれたものだから。
それにおいしいし。
もぐもぐと食べる。
聞こえるのは鳥の声、風の音。
あぁ、気まずい。
気まずすぎる。
私は苦笑いをし、そっとお弁当の蓋を閉じた。
凌雅も同じように蓋を閉じた。
立ち上がって、教室に向かい歩きすすむ。
ある一定の距離を保って。
その距離がまるで私達の心の距離のような気がした。
…私だけだろうか。
仲良くなりたいと思っているのは。
…男嫌いの私が初めて仲良くなりたいと、笑顔で話せるようになりたいと思った人。