恋愛契約-私とアイツの関係-
「テストなんて…ッ勉強なんて…ッイヤぁ!!」
「勉強してこなかったお前が悪い。」
「だって難しいんだもん!
私…バカなんだよ?!」
「知ってるっつーの。
だからこそこつこつやるべきだったんだろ。」
当たり前のことを、淡々と言う凌雅に苛立ちを積もらせる。
その“当たり前”が出来ないから“バカ”なんだよね。
とりあえず鞄から教科書を取り出すけど、ちんぷんかんぷん。
凌雅は部屋へと戻ってしまい、この部屋には私しかいない。
第一、近づけないから勉強もあまり聞けないし、わからない。
…教科書を、ビリビリに裂いてしまいたい。
そんな衝動にかられるけれど、グッとこらえ筆箱から無駄にキラキラしたシャーペンを取り出した。
せっかくネイルアーティストにつけてもらった宝石のストーンも邪魔くさい。
私にとって身の回りのものはアクセサリーでしかない。
そんな私がペン握って勉強だなんて…。
成長したな、なんてペンを握り教科書とにらめっこしながらそんな呑気なことを思っていた。