恋愛契約-私とアイツの関係-
「妃芽ちゃん、男苦手なんだって?
ごめんね。」
「い、いえいえ…。
でも…あの…できれば近づかないでいただけますか…。」
近づく星生くんに離れる私。
星生くんは「ごめんごめん。」と言って凌雅の隣に戻った。
その横で凌雅が頭を抱えている。
思わず苦笑いをしたが、あることを思い出した。
梨桜ちゃん…
凌雅が言った「梨桜」
凌雅は私以外の女子を呼び捨てで呼ばない。
気になる。
でも…聞いていいものなのだろうか。
悩んだけれどもやもやしたくない!
グッと小さく拳を握り恐る恐る口を開く。
「凌雅…?」
「ん?」
「さっき凌雅…『梨桜』って呼び捨てで…」
「あぁ。聞いてたのか。」
目線を私に移し、少し目を大きく見開いた。