恋愛契約-私とアイツの関係-
「へー、立派だね。」
「ね!
2人で暮らすにはもったいないよ…。」
「ほんと。贅沢ね。」
寮を見上げながらぽつりと2人で呟く。
寮、ではないかな。
2人で住んでいるから(執事さんたちもいるけど)ほぼ2人暮らし。
賑やかな声は聞こえないし、消灯時間もとくには決まっていない。
実家は両親と、たくさんのメイドと執事と、シェフとか、たくさんの人がいたから、少しだけ…寂しい。
1人、そんなことを思っていると梨桜ちゃんは私よりも先に寮の扉をくぐっていった。
「待って梨桜ちゃん!」
私は大きくそう言いながら梨桜ちゃんの後を追う。
そして、中に入ってからは私が案内して、部屋に向かった。