手の届く距離で

「若いんだぁ?!私と同い年位かと思った!」

まさか?・・・。
見た目からハタチは越えているだろう。

「でもそんなに変わんないよ?上に見えたでしょ?」


「いぇ、まぁちょっと…。」

明るい茶髪でパーマの掛かった長い髪と水商売風の化粧はどう見ても同い年には見えない。

「17だよ。そんなに変わらないでしょ?」


「えっ!?そうなんですか!!?」

本気で驚いてしまった。

15と言っても同級生は皆16になって行く歳だから、実質学年は一つ位しか変わらない・・・。
高校は?!

気になったが、聞いては悪い気がしてしまい、それは聞かなかった。


「今から一緒に遊びに行こうよ。」


今日?!


「いや、まだバイトなんで。」


「何時に終わるの?」


「22時くらいですけど日によって違うんで…。」

とても乗り気にはなれなかった。


「別に何時でも待ってるよ。」


「・・・。」
ちょっと返答に困っていると、店の奥から助け船があった。


「オーダー上がってるよ〜〜!」

「あっ、ちょっと行かなきゃなんで、すみません。」

その場を離れたが、狭い店内、隠れるところなんて無い。

とりあえずはそのコも座敷に上がって行った。



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