手の届く距離で

中学の時、クラスメイトは居たが、「女の子の友達」は別にいなかった。


たまに友達大勢で遊ぶ時なんかに女の子がいることはあった。


新鮮さは感じたが、自分から話し掛けることは無かった。


恥ずかしいと言うよりも興味が無かった。


通っていた中学の制服はエンジのネクタイにコンブレ、グレーでチェックのズボン。
私立高校みたいな制服で結構気に入っていた。


「まつだくん、ちょっと来てくれない。」


よく女の子に呼び出されて告白されたり、プレゼントをもらったりしもしたが、


「ゴメン。」
「いま、そういうこと考えらんないから…。」


お決まりのセリフだったが、だいたいこれで終わった。

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